こんにちは!トモスポ平田です!
お子様の逆上がりでこんな悩みを感じたことはありませんか?
☑︎逆上がりの練習をしているけど、全然できる気配がない…
☑︎たくさんの技術指導の動画をみてきたけど、うまくできない…
☑︎勢いがなく回るための力が足りていない気がする…
こんなふうにお困りの方も多いのではないでしょうか?
実は逆上がりができない原因は技術的な問題ではなく『恐怖心』が問題である可能性があります。
「気合だ!」
「怖がっているからダメなんだ!」
「いいからやりなさい!」
なんて指導をしてしまうと余計に恐怖心が強くなってしまったり、お子さんとの信頼関係が崩れることにもなりかねません。
さらに思わぬ事故やケガの原因となることもあります。
しかし、逆に言えば、この部分に対して真剣に向き合うことで信頼関係の構築や、お子さん自身の精神的成長の大きなチャンスになります。
今回の記事がお子さんの恐怖心を克服するためのキッカケになれたらと思います。
✔️この記事を読み実践して一緒に恐怖心を克服した時に得られるもの
- お子さんの精神的な成長
- 課題を克服した自信
- パートナーとしての信頼
✔️逆上がりの恐怖心を克服するにはこの3つが必要です。
- 再学習する
- 恐怖心を安心感で上書きする
- 恐怖心より達成したいという精神状態に持っていく
この3つについては順を追って後ほど説明していきます。
目次
鉄棒ができない恐怖心を抱いたまま練習を行う問題点
まずは具体的な克服方法に入る前に、恐怖心を持ったまま練習をしてしまうことで3つの問題をお伝えしておきます。
- 正しい技術の習得の妨げ
- 事故・ケガのリスクが高まる
- モチベーションの低下
恐怖心があることでのデメリットを知った上で、次からは実際に克服するための3つのSTEPを解説していきます。
逆上がりができない【恐怖心を取るための3ステップ】
①恐怖心を理解しよう
●そもそも恐怖心って?
恐怖を感じる条件はシンプルに「身の危険を感じること」です。
恐怖・不安とは危険なことから逃れるための自己防衛本能であると言えます。
速く走る車に恐怖を覚えなかったら、道路に飛び出して危ないですよね。
怒っているライオンやワニがいたら、襲われてしまって怖いですよね。
自己防衛本能から「逃げたい」という欲求
これが人間本来持っている恐怖という感情です。
おそらく逆上がりの練習をしていて、このような感情を子どもは感じたことがあるはずです。
☑︎練習していて落ちてしまった。
☑︎回転することで気分が悪くなった。
☑︎失敗が続いて怒られてしまった。
☑︎できない自分がバカにされて惨めになった。
このような、身体的あるいは精神的に傷つく直接的な経験をすることで「身の危険を感じ」トラウマとなり恐怖心が形成されていきます。
*「身の危険」については過去記事「子どものモチベーション」の話の中ので出た「マズローの段階的欲求」の第1欲求である「生存欲求」が満たされていないとも言えます。
●想像で作り上げてしまう恐怖
そんな経験はうちの子はしたことないぞ?と思った方もいるでしょう。
ここで重要なのは、自分の直接的な体験ではなくても、他人の姿(間接的体験)や想像の世界でのイメージ(想像体験)からも恐怖心が作られてしまうということです。
「Aくんが出来なくて怒られている…」
「手が離れたら地面に落ちて痛いんじゃないかな…」
「なんとなく怖いなぁ…」
このようなことから恐怖心が芽生えてきて、いつしか運動を邪魔するほどの影響力を持ってしまいます。
フォローしておきますが、こういったお子さんは言い換えれば「想像力」「発想力」がとても素晴らしいのです。
体験してなくても自分が体験したような気持ちになれるというのは、情緒教育の面では大変成熟していると言えます。
その素晴らしい想像力が「逆上がり=自分の心身を危険にさらす」という認識に発揮されてしまっていることが問題なのです。
②その子の恐怖心を理解しよう
●恐怖心の正体を具体化する
恐怖心というものがなんとなくでも理解できたら、今度はお子さん自身の恐怖心と向き合うステップに移行しましょう。
「逆上がり=自分の心身を危険にさらす」という抽象的な恐怖心をお子さんと向き合うことでハッキリと具体化させることが次のステップの目的です。
CHECK !!
【色々な切り口で質問してみる】
質問の仕方も内容も色々あると思います。
一例として以下の質問から具体化してみましょう。
注意
あまり形式ばった質問だと問い詰められた感じになってしまい、この体験が恐怖心を増悪させてしまうことにも繋がります。
また、突き詰めすぎるとさらに価値観が刷り込まれてしまうリスクもあるのでお子さんの性格や反応も考慮しながら行うようにしましょう。
✔️子どもへの質問リスト
Q1,何に怖がっているのか?
Ex:→落ちたら痛いのではないか?
Q2,逆上がりのどの動作の部分に恐怖を感じている?
Ex:→後ろに行くときに転んでしまうかもしれない
Q3,何故そのような考えになってしまったのか?
Ex:→落ちたことを想像してしまった
このような質問を通じて恐怖心の核となってくる部分に迫ります。
ただし、小さいお子さんはここまで具体的に出てくるケースは多くないと思われます。
今回の例では、この子の恐怖の正体は
「逆上がりで、後ろに倒れる時に落ちてしまうのではないかという恐怖」
と具体的に表現できてきました。
では、逆上がりって落ちるものでしょうか?
正しくやれば落ちないですよね。
でも、お子さんの中の価値観では「逆上がり=落ちる=危ない」になってしまっています。
これを『誤学習』と呼びます。
③その子の恐怖心と向き合おう
さて、恐怖の正体が具体的になってきたところで、次のアプローチです。
簡単に言ってしまえば「逆上がり=危ない」という価値観を崩せば良いのです。
方法は一番最初にお伝えしたこの3つです。
- 再学習する
- 恐怖心を安心感で上書きする
- 恐怖心<達成したいという精神状態に持っていく
順を追って説明しましょう。
再学習
②のステップで「逆上がり=後ろに倒れる=危ない」という恐怖の元になる価値観が見つけられました。
そしてそれは誤った学習から生み出されてしまった価値観であると説明しました。
これを分解してみると
「逆上がり=後ろに倒れる」
「後ろに倒れる=危ない」
だから「逆上がり=危ない」
つまりこの子の恐怖心克服のキーワードは「後ろに倒れる」です。
この「後ろに倒れる」が克服できればそれぞれの「=」が成立しなくなって新たな価値観が作られます。
「あれ?後ろに倒れるのってこわくない!」
「じゃあ、逆上がりも怖がらずにできるかもしれない!」
こういった価値観の変化が起きることを『再学習』と言います。
『再学習』を促すために
●恐怖心を安心感で上書きする
シンプルに表現するなら「慣れる」と言えるかもしれません。
ゆっくりとしたスピードで「ゆりかご」をしたり、
背中をしっかりと支えてあげながら練習することで「後ろに倒れる時に恐怖を感じない体験」を繰り返します。
こうした直接的な体験を通じて新しい価値観が刷り込まれていきます。
最初は小さなゆっくりとした動きから入っていきます。
逆上がりに即していなくても構いません。
恐怖心を感じる要素を持っている運動を恐怖心が起きない範囲で行うようにしてみてください。
スキンシップや声かけは大変重要です。
恐怖心<達成したいという精神状態に持っていく
お子さんは
- 期待に応えたい。
- 褒められたい。
- 自分の成長で親に喜んでもらいたい。
という欲求を持っています。
その気持ちが恐怖心を克服するためのエネルギーになります。
このエネルギーが恐怖心より大きくなれば、怖いと思いつつも思い切ってチャレンジできるようになるでしょう。
そうして一度、恐怖心に打ち勝つ体験をすることで「恐怖心と戦うことは成長に必要」と脳が学習します。
その結果、困難に立ち向かう心を手に入れることができます。
スキンシップ、声かけ、承認(チャレンジしている姿が素晴らしいね。頑張っているあなたを認めているよ。)
を通じて、お子さんの自己肯定感が高まり意欲も上がります。
お子さん自身が逆上がりができるようになった未来を手に入れたい!という気持ちになるように支えてあげましょう。
「こうしてみたら怖くないかな?」
「どうしたら頑張れそうだろう?」
「逆上がりができるようになったらどういう自分になれているだろう?」
そうやってご両親がお子さんと一緒に恐怖心と向き合うことこそがお子さんにとって最大の安心感となります。
まとめ
どうしても逆上がりがうまくいかないお子さんは『恐怖心』が原因の可能性も考える。
恐怖心は人間に備わっている防衛本能から起こる。
恐怖心という漠然としたものを具体化してくことが大切である。
親子で恐怖心という問題に一緒に向き合うことが、絆を深める絶好のチャンス。
恐怖心を感じない体験を繰り返して、その運動は怖くないという新しい価値観を作り上げていく。